作文優秀作品(愛知商業)

8月 29th, 2014

   小さな蜂から学んだ大きな自信

 私が商業高校という場で学んだのは、主に“マーケティング”についてです。マーケティング、とは『顧客が求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその商品を効果的に得られるようにする活動』の全てを表す概念のことです。

 私は高校2年生になった時から、A商マーケティング同好会というグループに所属しています。

 主な活動は、2年前の3年生の方が課題研究で行ったものを引き継いだミツバチの飼育です。ミツバチの生態系を通し、本校の周りに存在する、“文化のみち”の『地域活性化に貢献できるのではないか』と考えたためです。

“文化のみち”には、建中寺や徳川園などの歴史的建造物が数多く残っており、観光の3要素の一つである、『見る』要素については充分だと考えることができます。しかし、あと二つの要素のである『食べる』『遊ぶ』要素については、あまり充実していないことが“文化のみち”に訪れる方々への聞き込み調査で明らかになりました。

 先輩方は、そのふたつの要素をクリアすべく、『文化のみちミツバチプロジェクト』を立ち上げ、地域活性化に日々、取り組んできました。

 「食べる」要素には、はちみつを「遊ぶ」要素には、そのはちみつの採蜜イベントを企画・運営することで補うことができたのではないでしょうか。

 その後、その先輩方が卒業し、残った後輩である私たちが引き継いだのが、A商マーケティングです。先輩方から引き継いだ貴重な財産を、

『これからどのように発展させていったらよいのか』

これが大きな問題でした。

 その問題を解決させるのにまず、「たくさんの方に私たちの活動を知ってもらうことが第一なのではないか。」

と考えました。

そのため、私たちの活動を学校のホームページに載せていただくことにしました。現在では、ミツバチプロジェクトとして採蜜イベント、はちみつの販売など数々の活動を掲載させていただいています。

 しかし、ただミツバチを育て、はちみつを採ることだけではマーケティングには繋がりません。このはちみつをどうやってこの地域に生かしていくかが大切なのです。

そのため、この“文化のみち”にある徳川園内のガーデンレストラン徳川園にて、このはちみつを使っていただくことになりました。この活動により、レストラン側には「今までより、お客様とのコミュニケーションが円滑になった」「はちみつを使ったデザートの商品開発への意欲がますます向上した」と答えていただき、私たちA商マーケティング側も「はちみつの知名度アップ」「はちみつのブランド化」に繋げることができ、双方にメリットのある“Win-Win”の関係を築くことができました。A商マーケティングのはちみつは、『徳川はちみつ』と名付けられ、レストランで使用されたり私たちの宣伝活動販売活動により少しずつではありますが、地域の人に愛されるようになってきました。

 しかし、順調そうに思えた活動ですが、ここにきて新たな問題に直面したのです。この“文化のみち”で同じように養蜂を行っているところで『徳川のはちみつ』として、はちみつが販売されている、との新聞記事が出ていたのです。そのため私たちは、私たちのはちみつの更なるブランド化に向けて、そして他のはちみつとの差別化を図るために『徳川はちみつ』という名称を商標登録しようと考えました。商標登録が成功すると、10年間その名称を独占することができます。現在『徳川はちみつ』は、無事に商標登録が完了し、“文化のみち”に大きく貢献しています。

 私はこのA商マーケティングのグループに所属し、1年半弱活動をしてきたなかで、どのようにマーケティングを学んできたのか。顧客が求める商品やサービスには「徳川はちみつ」が当てはまり、情報を届けることにはホームページでの活動内容の掲載が当てはまり、顧客がその商品を効果的に得られるようにするには、はちみつのブランド化・差別化が当てはまると考えました。

徳川はちみつの販売活動・宣伝活動を行っていくうえで、「どうしたらもっとこの活動を知ってもらえるだろう」「どうしたらはちみつの存在を知ってもらえるだろう」そんな疑問がたくさん出てきました。

私たちの一番の目標は、『文化のみちを活性化すること』であり、「はちみつを有名にする」ことではないのです。もちろん、はちみつの知名度が上がれば、地域活性化にも繋がりますが、それがゴール地点ではないのです。今は原点に返り、地域活性化をさらに促進するために「遊ぶ」の要素を中心にアイディアを模索中です。

 私はこのA商マーケティングの活動を通してマーケティング以外に学んだこともたくさんあります。徳川はちみつの販売活動・宣伝活動を行っていると、幅広い年代の方と触れ合うことが多くなりました。特に多いのは、お母さま世代の方たちと話す機会が増えたことでした。そのため、ちゃんとした敬語などの言葉遣いや、対応の仕方など、就職してからでも使える、コミュニケーション能力を身に着けることができたと思います。初めの頃は、先輩方の後ろからひっそりと声を出していて、全く前面に出ることができませんでした。「はちみつ」のことについて聞かれてもうまく答えることができず、その度に先輩方に助けられていました。しかし、それも回数を重ねることで、少しずつ話せるようになっていきました。もちろんそれは簡単なことではありませんでした。はちみつのことを説明するには、はちみつについて理解をしていなければならないし、それを私なりにまとめて言葉にする力がなければならないのです。 今は私なりに考え、行動し、お客様とのコミュが上手くできるようになったと思います。

 私はこの高校に入学して、とてもよかったと思っています。このようなミツバチプロジェクトは、他の商業高校では絶対経験できないことだからです。辛いことや難しいこともたくさんありましたが、このような体験を通して、商業の学び以上に大切なものが得られたと思います。それは、私だけではこの活動はできない「チームワーク」が必要であることです。

これまでの活動を通して、同世代だけではなく、たくさんの方々とコミュニケーションが図れたことは、これからの人生においてきっと大きな自信に繋がると思います。