論文優秀作品(愛知商業)

8月 29th, 2014

限定商品について

1.はじめに

 “限定商品” 

と聞いて、「知らない」という人は少ないと思います。

ここで言う“限定”とは、通常の商品・サービスでは満足できないターゲットに「限定的な商品・サービス」を提供することを指します。現在、“限定商品”という特別な売り方が市場に定着しつつあります。通常商品であればいつでも購入できますが、限定商品となれば『買いたい時に買えない』という欠点もあります。しかし、『買いたい時に買えない』からこそ希少価値があり、発売された時についつい買ってしまうのです。

このような限定商品は様々な分野で広がり、今ではどこでも見られる光景となっています。

限定商品には、数量・期間・地域・チャンネル・顧客限定などいろいろな種類のものがあり、「あなただけ」「今だから」「ここだけ」と限定することによって、特定顧客の特定期間の、特定エリアの売上を拡大するための企業側の思惑が詰まっているのです。

 しかし、限定商品すべてが売れるわけではなく、企業もそれなりのリスクを背負って商品開発をし、発売に至っていることと思います。

そこで、私たちは限定商品に的を絞り、その目的や、現状、もたらす効果について深く追求したいと考えました。研究を進めるに当たりまず、私たちはディベートによる議論を行い、その結果に基づいて高校生を対象にアンケート調査を実施し、限定商品の印象や、現状、効果、将来性について調査・研究することにしました。

2.ディベートより

「限定商品は必要であるか否か」をテーマとしてディベートを実施しました。まず、肯定派・否定派からそれぞれ賛成理由を出し合い、次にそれに対する反対尋問を考え、最終的に意見をまとめ結論づけました。

(1)賛成理由及び反対尋問

①購買意欲を高め商品の価値を高める ⇔ 割高感が強い②衝動買いを促す ⇔ 買いたい時に買えない

③地域活性化につながる ⇔ 買う勇気がでない

④企業のイメージアップにつながる ⇔ 開発費がかかる

⑤メディア効果による販売促進が期待できる ⇔ 印象が悪くなる

(2)否定理由及び反対尋問

①限定による価格の高騰が意欲を低下させる ⇔ 値段ではなく価値感②限定に限らず衝動買いはある ⇔ 買いたい時に買えないから価値がある

③その地域に行かないと意味がない ⇔ 正しい情報入手により購買可

④イメージダウンになりかねない ⇔ 広告費として捉える

⑤経費の増大 ⇔ 限定商品に限ったことであり他の商品への影響なし

(3)結論

 限定商品は、『地域』、『期間』、『数量』を制限することによって購買意欲や商品の価値を高めたりする。 人はいつでも、どこでも購入できるものには価値が高いとは感じない。手に入れにくいものほど価値が高いと感じる。限定という文字を見ただけで、「ここでしか買えない」「この機会を逃せば手に入らない」「数が少ないから早く買わないとなくなってしまう」といった希少性の心理が働き、充分な検討をすることなく購入するという消費行動に繋がる。つまり限定商品は『衝動買いを促す効果』がある。他には、限定商品を取り上げることでメディアが反応し『メディア効果』による販売促進が期待できる。地域の特産物や名産品限定はその地域に行かないと購入できないという問題点がある。

 限定だからといって、すべての人の購買意欲が高まるとは言えないだろう。また、限定商品を開発するには多くの労力とコストがかかる。うまくいけば、『企業のイメージアップ効果』に繋がるが、失敗すれば、開発してきた労力とコストが無駄になってしまう場合がある。

 しかし限定商品をきっかけに今まで買ったことがなかった通常商品を購入するという『相乗効果』も期待できる。そうすれば企業にとって『売上効果』に繋がるだろう。

 このようなことから、限定商品にはリスクを抱えるという欠点もあるが、商品の価値を高め、消費者の要求を満たすという利点もある。消費者の購買意欲を引き寄せるという様々な効果が限定商品の魅力を高めていると言える。今後もプラス効果が期待される様々な限定商品が発売されることを願う。

3.アンケート調査より

 ディベートから私たちは限定商品の必要性を感じ、これから先ますます魅力ある限定商品が発売されることに期待すると結論づけましたが、今後、これまで以上に限定商品への意識が増加する私たち高校生にとって、限定商品についてどう考えているのか、アンケート調査を実施し、さらに詳しく調査・研究をしました。

対  象:本校生徒  配布枚数:240枚  回収枚数:239枚  回収率99.6調査期間:平成24年6月22日~29

(1)限定商品に対する意識

 まず、現代の高校生の限定商品に対する意識を調査するため「“限定”という言葉に惹かれますか」と尋ねたところ全体の約9割の人が「はい」と答え、殆どの人が“限定”という言葉に惹かれていることが分かりました。性別に見ると、男子より女子にその傾向が強いことが明らかになりました。

 次に、「“限定”表記を目にした時、購入したいと思いますか」と尋ねたところ全体の約8割の人が「はい」と答えました。“限定”という言葉が商品購入の際、消費者心理に大きく影響していることが判明しました。性別では前問同様、女子にその傾向が強いことが分かりました。

 また、「購入したくなる謳い文句は何ですか」と質問したところ、予想通り「限定」が146人と一番多く、次いで「半額」136人のこの2つが突出しており、次いで「値下げ」91人と続きます。上位3点から『希少性』や『安さ』が購入のきっかけとなっていることが確認できました。その他には、「大ヒット中」や最近よく耳にする「コラボ」等が挙がりました。(図1~3参照)

(2)限定商品の現状

 まず、限定商品の情報源を調査するため「限定商品の情報は主にどのように入手していますか」と質問したところ、「店頭」139人と全体の約6割を占めていることが判明しました。その他に「CM」「口コミ」「インターネット」「チラシ」という回答が得られました。限定商品の情報源は現地で得ることが多く、そのため衝動買いが行われている可能性が高いことが予測されます。

次に、限定商品の購入状況を把握するために「実際に限定商品を購入したことがありますか」と尋ねたところ、全体の約9割の人が「はい」と答えました。女子に至っては約95.4%の人が「はい」と答え、ほぼ全員が購入した経験があることが判明しました。殆どの高校生が限定商品を購入したことがあると回答する中、少数派の限定商品を購入したことのない人にその理由を尋ねてみました。その理由としては「高い」「必要ない」「興味がない」という結果に終わりました。

 今度は、「どのような限定商品を購入したことがありますか」と尋ねたところ、全体では約半数に当たる約46.1%の人が「期間限定」と答え、次いで「地域限定」約26.6%、「数量限定」約23.6%という結果になりました。このことから、私たち高校生は日常生活で目にする限定商品をよく購入している傾向にあることが分かりました。その中でも日にちを限定される商品にはとても敏感であることが明らかになりましたが、利用頻度はどうなのかを質問してみました。その結果、一番よく利用しているのが予想通り「期間限定」で約8割の人がそう答えました。次いで「数量限定」約15.5%「地域限定」約7.6%という結果になりました。やはり「地域限定」についてはその地域に足を運ばないとなかなか購入することが難しいので利用頻度は低くなると思います。性別に見ると、男子の方が「数量限定」や「地域限定」の商品を購入する割合が高いことが分かりました。

 さらに、「価値観を感じる限定商品は何ですか」と尋ねたところ、「数量限定」が約38.6%、「期間限定」が約35.7%、「地域限定」約18.3%と僅かながら今までの順位とは違う結果となりました。期間を限定されるより、数量を限定された方が希少価値を感じるのは当然のことと思います。この調査からは、性差はあまり見られませんでした。

 また、実際にどこで購入しているのかを調査するために、「限定商品をよく購入するのはどこですか」と尋ねたところ、「コンビニ」が171人で突出しており全体の約7割を占めました。私たち高校生が一番身近に感じているいわゆる『行きつけの店』であり当然の結果であると考えます。次いで「スーパー」「土産屋」「ファーストフード」という結果になりました。「土産屋」はご当地限定などの商品を購入するため、「ファーストフード」はハンバーガー店などの期間や数量を限定された商品を購入した経験からだと推測されます。(図4~9参照)

(3)限定商品に対する購買意欲

 限定商品に対する購買意欲を把握するため、まず、「限定商品であれば、多少値段が高くても購入しますか」と尋ねたところ、「はい」と答えた人が約45.0%という結果でした。多少値段が高くなったくらいで購入しない人が半数以上いるという結果には驚きました。

次に、「限定という言葉に惹かれて普段買わない商品を購入したことがありますか」と尋ねたところ、「はい」と答えた人が約44.4%でした。前問とほぼ同じ結果が得られました。改めて”限定“という言葉が購買心理を大きく左右させていることが明らかになりました。

では、実際に「限定と聞いて思わず購入してしまうものは何ですか」と質問したところ、一番多かった回答が「お菓子」で全体の約6割を占める144人、2番目が「スイーツ」で123人とこの2つが突出する結果となりました。次いで「飲料」「お土産」と若者らしい回答が上位を占める結果となりました。しかし、「限定商品を購入したかったのに購入できなかった経験はありますか」と尋ねたところ、「はい」と答えた人が約53%と半数以上の人が理由はさておき、購入できず残念な思いをしていることも分かりました。(図10~13参照)

(4)限定商品の利点と欠点

 まず、限定商品の利点について調査したところ、「希少性」が全体の約4割と一番多く、2番目が「満足感」、3番目が「季節感」と続きます。このことから他の人が持っていないプレミアである商品を苦労して手に入れたことに満足を感じていることが分かります。「季節感」については学年が進むにつれて割合が高くなっていることが分かりました。日本特有の四季を感じる季節に合わせた味付けが好評であることから多くの意見が得られたのではないかと考えられます。

欠点については、「品切れ」が一番多く全体の約34.5%、これは前述したように半数以上の人が『購入できずに残念な思いをしていること』が裏付けされていると考えられます。次いで「期待外れ」「割高感」「特定の場所や人に限られる」と続きます。どの回答も一度は経験したことがありそうなことでした。(図14~15参照)

(5)限定商品の将来性

 まず、「今後、限定商品が増えると思いますか」と尋ねたところ「はい」と答えた人が約52.1%と半数以上の人が今後も限定商品が増えると考えています。しかし、「どちらともいえない」と答えた人が約43.7%であり、将来性にあまり関心がないということを感じました。

 次に、「将来、どの限定商品が増加していくと思いますか」と質問したところ、約4割の人が「期間限定」次いで「数量限定」「地域限定」という結果になりました。今後もこの『3大限定』が限定商品の中心を担っていくと予想されます。性別でみると「数量限定」と回答する割合が女子より男子の方が約10ポイント高いことが分かりました。

最後に、「今後、どのような点に着目したら限定商品がますます増加していくと思いますか」と尋ねたところ、「話題性」138人、「コラボ」106人とこの2つが突出しており、次いで「年齢」「クーポン」という結果となりました。このことから、流行や消費者ニーズ、世代をキーワードとした商品作りが今後、限定商品がますます増加していく近道であると言っても過言ではないと思います。(図16~18参照)

4.おわりに

 家族や友達にお土産として、恐らく一度は買ったことのある、手頃で無難だからこそ重宝される限定商品。もちろん自分のためにも、他の人が持っていないものを手に入れたという満足感を得るために購入した限定商品。

限定という言葉に惹かれて購入するのは老若男女を問うことはないでしょう。

 最近では語呂合わせを用いたものをはじめ、地方の名産品を素材にしたもの、季節に合わせた味付けを施したもの、ゲーム類の数量限定商品等、枚挙にいとまがないほど多数存在します。

『限定ミックス』

今後は「今だけ、ここだけ、しかも数量限定」という様な商品が、今以上にたくさん登場し、私たちを楽しませてくれるのではないかと感じます。

参考サイト

http://shinri.c-goto.com/scarcity.html 希少性の法則

http://www.jmrlsi.co.jp/mdb/yougo/my02/my0211.html マーケティング用語

http://www.tamiya.com/japan/faq/a_0019.htm スポット商品とは

http://www2.fgn.jp/mpac/_data/8/?d=200708_05 限定商品に関するアンケート